喫煙が危険因子とされている疾患と言えば、まず思う浮かぶのが、「肺がん」「心筋梗塞」などの心臓病ですが、他にも、妊婦の「早産」や「胎児の発育障害」は多くの方が認知されているところでしょう。
しかし、喫煙が視力に及ぼす影響については、ほとんど知られていないのが現状と言えるでしょう。

喫煙が危険因子になり得ると明らかにされている眼疾患に「白内障」 や「加齢黄斑変性症」があります。

特に危険なのは、加齢黄斑変性症です。
近年日本でも高齢者に増加している加齢黄斑変性症は、喫煙による発症リスクが2.2倍になるそうです。治療せずに放っておくと失明に至ることもある怖い疾患なのです（実際、欧米諸国では50歳以上の失明の主な原因の一つとなっている疾患だそうです）。
加齢黄斑変性症は、網膜にある黄斑部が変性を起こすのですが、モノが歪んで見えたり、視野の中心部が真っ暗になるなど、視力や日常生活の質が大きく低下させます。
発症を予防のためには、食事や運動などの生活習慣への配慮も大切ですが、いち早く取り組むべきは「禁煙」と言われているのです。

ただ、治療方法も飛躍的に進歩しているそうです。加齢黄斑変性症で低下した視力を改善させる薬剤も登場しており、やはり早期発見・早期治療が重要になるようです。

この数年、喫煙者は肩身の狭い思いをするばかりです。喫煙場所は片隅の小さなスペースへ追いやられ、増税時には必ず対象になり、何かと悪役にされています。
もちろん、喫煙は「百害あって一利なし」とまでは言いませんが、どう見ても利より害が多いように思われます。しかも、その害は健康に直結する害ばかりです。
思い切って、禁煙すると食事が美味しく感じられますよ！